日本ワインとナチュラルチーズ セミナー 2019年4月
いろいろと忙しく過ごしていたせいか、チーズとワインセミナーの投稿も1年あいてしまいました。反省……。毎回学ぶことの多いセミナーですが、今回はとくに強い印象を受けたワインだったので記憶が鮮明なうちにまとめておきます。
長野県高山村のカンティーナ・リエゾー サクラサクラ 2016
イタリアの代表品種バルベーラでつくったロゼ
先月もいただいたのですが熟成によって色がすっかり変わっていて驚きました。先月はロゼとは思えないイエローがかった色だったのが、すっかりロゼ……というより明るめのガーネット色になっていたのです。
香り:カシスや未熟なストロベリー
味わい:酸味が強烈で、収れん味が強い。とはいえざらついたタンニンは感じない。塩味もややあり、甘味と苦みはほぼない。ライトボディながら個性が強いワイン。香りに表れていたストロベリーの余韻が上あごにずっと残って心地よい。中華に合いそう。
今月のワイン
シクロヴィンヤード 長野県東御市 飯島さんご夫婦による運営 『神の雫』3/7編に掲載
https://www.cyclovineyards.com/
新設でまだ自前の醸造設備がないためリュードヴァンと伊那ワイン工房に委託醸造
元自転車競技の選手だという飯島さん。「シクロ」はフランス語で自転車を意味するそうです。
ブドウが実をつけるのは植え付けてから3年めといいますが、樹齢4年というかつてない若いブドウ樹でつくられたワインときいて、いったいどんな出来なのだろうと、興味津々で臨みました。赤の2本は抜栓して時間をおくほうがお勧めという造り手のアドバイスがあったそうで、すでに栓が抜かれていました。
ワインリスト:
パシュート シャルドネ2017 ステンレス醸造およびステンレス発酵 無濾過でシュールリー
アマンダ メルロ―2017 標高660メートルの畑産
シャルドネは樽発酵させたコクのあるタイプが大好きなのですが、今回のワインはその対極にあるタイプでした、色は若干グリーンがかったイエローで、一見すると熟成しているようにも見えました。香りはあくまで爽やかで、やや柑橘を感じます。味は酸味が強く、ひじょうに軽くて、まるで水のようにあっさりとしています。とにかく軽くてさっぱりしているので夏の暑い時期に太陽を浴びながら飲んだらおいしいかもしれません。
ステンレス醸造およびステンレス発酵、しかも樹齢4年という若いブドウを使うと、こんなにさっぱりと軽い味わいになるのだという実例を知ることができました。
メルローもやはり樹齢が若いようですが、こちらは意外にもしっかりとしていて、メルローらしい凝縮感があり、飲みごたえがありました。色はリムの辺りが少しオレンジがかったガーネット色。これは購入して飲んでみたい。
アルモノワールという品種は初めて飲みました。カベソーとツヴァイゲルトレーベの交配種とのこと。色は濃いルビー色でやや苦みがあり、最初は開いていなかったようで、特徴がとらえにくかったのですが、2時間たつころには少し果実味が感じられるようになっていました。抜栓して時間をおいたほうがいいというアドバイスはこのためだったのでしょうか。
つづいてチーズです。今回は水牛、羊、牛乳とバラエティ豊かでいつにも増して楽しめました。
・写真真ん中:桜もち子 マダム久田のオリジナルチーズ イタリアの水牛乳製モッツアレラを3週間熟成
桜の葉でおおわれていたおかげで桜の葉の香りがたっぷり感じられて、春を実感するおいしさ。もっちりしっとりとしていて、緑茶にもきっと合うのでは。
・その左のレンガ型 パヴェ・ド・ラルザック・フヌグレック フランス 羊乳製
ロックフォールと同じミルク。新発売で日本初登場のチーズであり、中に木の実が砕いて入っています。匂いが強く、酸味と塩味が強く感じられました。
・以降時計回りに ブルー・ド・オーヴェルニュ マダム久田熟成 フランス。
おなじみのおだやかな辛みのブルーチーズ。いつ食べても安定したおいしさです。
・オーガニック・ヴィンテージ・チェダー 英国
周囲がワックスで覆われた珍しいチーズです。このワックスのおかげで常に品質が安定するそうで、たいへん濃厚でナッティ。塩味も強いですがきつい塩味ではなく、深みを感じます。チェダーはスーパーなどでも売っていますが、あれとは雲泥の差! ウイスキーや甘めのビールとも合うとのことなので試してみたいものです。さいわい今ならウイスキーもクラフトビールも家にあります♪
・コンテAOP 12-18カ月熟成 フランス これもおなじみの味。きれいなカスタード色で、ちょうどよい熟成具合。チーズ用につくられたというフルーツマスタードを塗ったらさらに絶品のおいしさでした。
オーガニック・ヴィンテージ・チェダーの詳細はこちら
http://www.lammas.jp/product/98