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今回のワインは長野県中野市にあるたかやしろファーム&ワイナリーの4本。
ソービニヨンブランとシェーブルの相性を再発見しよう!というテーマのもと開催されました。
ワインリストと感想
2017たかやしろブラン・スパークリング:ソーブラ84% ケルナー16%
自社畑産ブドウ使用。色は淡いイエローで爽やかな香り。かすかに火薬っぽさを感じる辛口。シェーブルのシャビニヨルとの相性がよい
2014ソービニヨン・ブラン
色はきれいなイエロー。香りはソーブラらしい草の香り。かすかに汗っぽい余韻。やはりシャビニヨルと相性がよい。
2017ピノ・ノワール
色は縁部分がやや茶色で、2017年なのになぜこの色なんだろうと不思議に感じたけれど、味はまったく問題なしどころか、果実味を保ちつつも、ピノ・ノワールらしからぬコクと重みがあり、ラクレットと相性がよかった。お値段をたずねたところ、2000円でおつりがくるというのだからさらに驚いた。これは自分でも購入したい。
2016たかやしろの雫
山ぶどうの「行者の水」という品種とメルローを掛け合わせた、「富士の夢」という交配種。志村さんが開発したということで、志村ブドウ研究所の志村富男さんのことだろうと思われる。無濾過タイプで色は黒いほどの赤にみんな驚いた。色から連想したとおり、非常に濃厚。これもラクレットと好相性だった。
富士の夢:行者の水×メルロー種
富士の夢(ふじのゆめ)は、行者の水とメルロー種を交配させたもので、アントシアニン・ポリフェノールが豊かで濃厚なワイン品種です。日本の気候・風土に適し、病害にも強く安定した生産が可能な赤ワイン用品種。
https://www.dr-tomio.com/archives/14より
今回のテイスティングトレーニング用ワインは原茂ワインのアジロン
ラブルスカ品種(苦手…)にありがちな香りに、コンコード?キャンベルアーリー?などとみんなでいろいろ予想してみたけれどみごとに外れ、アジロンダックだった。香りはイチゴやプラムのような甘さがあり、味も甘いけれど、同時に酸が強く、おもしろいワインだった。冷やして飲むとおいしいかもしれない。
続いてチーズ。手前から反時計回りに。
ルフレ:シェーブルのフレッシュチーズで今が旬とのこと。外観は真っ白。味わうとヨーグルトのような味でほのかな酸味が心地よい。暑い時期にぴったりだろう。
シャビニヨル・ドゥミ・セック:これもシェーブル。ドゥミ・セックという名称は熟成が中程度なのでそう名付けられているという。塩味、酸味ともに強く、シェーブルらしい味。
モルビエ・レクリュ:牛乳製。前日の残りのミルクに当日のミルクを重ねたエコノミカルなチーズ。むっちりとした食感。真ん中の黒い線は植物性の炭。なぜこんな線が入っているかというと……。
「大型チーズを造るには十分な量のミルクがないときに、フランシュ・コンテ地方の農民たちが考え出したチーズだといわれています。
彼らは次の搾乳までの間、カードを保護するため銅鍋(Chaudron ショドロン)の底の煤をカードの表面にまぶしておき、その上に新しく準備されたカードを重ねたので、真ん中の黒い線はそのまま残りました。
現在でも、植物性の炭を使ってチーズの中心に水平に黒い線が入るように工夫されています。味わいにも食感にも特に影響はありません」
http://www.meg-snow.com/cheeseclub/knowledge/jiten/term/morbier/ より
ラクレット:牛乳製。吉田牧場産。冬のミルクでつくったため色が白い。ヨーグルトっぽい味わい。ラクレットというとオーブンで溶かして野菜などにかけることが多いけれど、もちろんそのまま食べてもおいしい!
ボン・レヴェック・レクリュ:生乳製。ノルマンディー産で海に近い産地のため、塩気が感じられるのでは、ということ。ちなみにカマンベールと同産地。ウォッシュタイプ。現在農家製のチーズは全体の9%のみだそうで、貴重なチーズ。ウォッシュならではの「くさうま」チーズ。くせになるおいしさとはこのこと。
*参考:フランスの牛乳殺菌方法
https://www.tsujicho.com/oishii/recipe/letter/totteoki/milk.html
クレムートリュフ:牛乳製の白カビチーズ。ダブルクリーム(クリーム添加、つまり高カロリー)という危険なチーズ。トロトロで、ダブルクリームならではのコク。うっとりするおいしさ!
今回もたいへん幸せな時間を過ごさせていただきました。どのチーズもワインもいつもながらおいしいのですが、なかでもこんなにおいしくて財布に優しいピノ・ノワールがある、しかも日本製だと知って、うれしくなってしまいました。