ワインとチーズマニアの翻訳者日記

ワインとチーズに目がない英日翻訳者の記録です。チーズ、ワイン関連の書籍や関連記事の訳文を紹介します。

日本ワインとナチュラルチーズセミナー 2018年2月

もう4月なかばですが、2月のセミナー内容をいまごろまとめております……。

今回はソーヴィニヨン・ブランの飲みくらべという趣向で、日本ワイン4種プラスフランス産1種をいただきました。特徴をつかむためにもっと飲んでみたいと思っていた品種なのでとてもうれしく、心弾むひとときでした。

 

ワインは左から

あづみアップル deuxieme2016

シャトレーゼ勝沼2016

安心院ワイン2016

胎内高原ワイン2013

ピュズラ・ボノーム ヴァンクールブラン・トゥーレーヌ2014

価格帯はほぼ同じという5本。甲乙つけがたかったのですが、1本だけ選ぶとすればあづみアップル。ソーブラらしい緑の茎っぽい香り、酸味が強く、爽やかでした。シャトレーゼはあづみより酸がおだやか、安心院は香りがトロピカルで甘い味わいを想像しましたが予想に反してドライ! 胎内高原は樽香が強かったと同時に、他より熟成しているためかやわらかでまろやかな口当たりでした。そしてヴァンクールは…強烈なセメダイン香に圧倒されました。実はアロマホイールでこの香りの存在を知ったとき、「そんなワインあるのかなあ」とやや懐疑的だったのですが、これはまさにセメダイン! 味は複雑でうまく表現できませんが、時間の経過とともに香りが収まり、甘味が増していきました。シェーブルの名産地トゥーレーヌのワインだけあって、トレフルと相性がよかったです。日本の4種とフランスを比べると、やはり力強さというか主張の強さはフランス産が圧倒しているように感じました。とはいえ日本のソーブラが劣るというわけではけしてなく、爽やかかつ優しい口当たりに日本らしさが表れていると思います。

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チーズはすべてフランス産で、左手前から時計回りに

トレフル(シェーブル)

プティバスク(羊乳)

モンドールAOP(ワインでみがいてあるヴァン仕込み)

エポワスAOP


プティバスクは名前の通りバスク地方に近い産地のチーズで、シャトレーゼと合いました。モンドールは、表面の凸凹が激しいほど熟成が進んでいるそうです。モンドールとエポワスはヴァンクールと好相性、モンドールはフランスパンに乗せて安積アップルと合わせるとおいしかったです。

 

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ボトルと同じ順に白紙を背景にして色を見ました。 

同じヴィンテージの3品はあまり色の差異がないが2013と2014は明らかに黄色が勝っています。

 

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余談ですが、昨日あるお店で再びヴァンクールをいただいたら、あのセメダイン香はまったく感じられませんでした。個体差あるいは抜栓後の時間の差でしょうか。強烈な香りがない分、味わいだけに集中できました。ブドウがビオディナミ栽培という点を考えると、抜栓してしばらくおいたほうがこのワインは美味しく味わえるのかもしれません。あるいは、抜栓直後、1時間後、2日めというように比較して飲んでいくのもおもしろそうです。