『キプロスのハルミチーズをめぐる攻防』
*「シャンパン歴史物語」を少しおやすみして、チーズ関連の記事を翻訳してみました。
『キプロスのハルミチーズをめぐる攻防』 2014年7月10日
遠からず、「ハルミ」という呼称は、地中海の島国キプロス産の、かむとキュッキュと音がするチーズに限定されるようになるかもしれない。この7月9日、キプロス政府がハルミチーズを、EUが制定するPDO(原産地呼称保護)製品として認定するよう申請したのだ。(訳注:ハルミチーズは牛乳、山羊乳、羊乳の混合乳製である)
ハルミのPDO認定はこれまで長いあいだ待ち望まれていたが、当のチーズ生産者たちが、EU当局から提案された山羊乳と羊乳の混合割合に反対してきた。キプロスでは山羊乳の生産量が少ないため、EUから提示された「山羊乳51パーセント以上とする」という認定条件は現実的ではないと訴えていたのだ。
今回の申請案では、山羊乳と羊乳の割合が50パーセント以上と制定され、ハルミチーズ生産者にたいしては、この変更に対応するため10年の猶予期間が与えられている。猶予期間は7月9日に始まり、生産者はこの間、最大80パーセントの割合まで牛乳を使用してハルミチーズを製造することが許される。このチーズのトルコ語名称「ヘリム」を使って販売することもできる。
「キプロス・メイル」紙によると、同国の農業・資源・環境大臣ニコス・クヤリス氏は、生産者と酪農家が新基準に適応しやすくなるよう、一連の事業支援策も発表したという。その内容は、既存の酪農家の現代化や新規の酪農場の立ち上げに資金援助をするというもので、ハルミチーズの生産設備の改善も援助の対象になっているという。
http://culturecheesemag.com/cheese-bites/cyprus-applies-for-halloumi-pdoより
=訳文以上=
これは1年以上前の記事ですが、その後キプロスの「ハルミ」呼称はどうなったのでしょうか。調べてまた掲載したいと思います。呼び名はどうあれ、キュッキュと独特の食感をもつハルミチーズはそのままでもおいしいのはもちろんですが、焼いても溶けないため、フライパンでこんがり焼いてパンにはさんだりサラダに加えたりと、いろんな食べ方を楽しめます。味にさほどクセがないので、チーズ初心者の方にもお勧めです。
*キプロスの大臣名称は在ギリシャ日本国大使館 キプロス関連を参照しました。